テツモ女子 佐橋奈葉の今日も模型鉄!

初めまして、鉄道模型が大好きなちょっと不器用なモデラーです。 よろしくお願いします❗️

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2026-06-01から1ヶ月間の記事一覧

第79話 白いままのページ

◆白いままのページ 亮太は、ひょんなことから洋菓子店「ポプラ」で一晩を過ごすことになった。 店主の岳志は、空いている次男の部屋に泊まっていくよう勧めてくれた。 視線を机の上へ移すと、その端に一冊のノートが置かれていた。使い込まれて色褪せた表紙…

第78話 静寂のピッケル

◆秋夜の厨房にて 十勝の秋の気配が、窓の隙間からそっと忍び込む夜。 洋菓子店「ホプラ」の居間では、亮太がまかないのオムライスを静かに味わっていた。 最後の一口を名残惜しそうに飲み込み、空になったスープ皿を見つめて小さく息をつく。 「……ごちそうさ…

第77話 彼女の気配が消えたあと

◆厨房の思い出話 洋菓子店「ポプラ」の厨房には、夕方の仕込みを終えたあとも、バターと砂糖が混ざった甘い香りがほのかに残っていた。 火を落としたばかりの大型オーブンは、秋の気配が忍び寄る空気を、余熱でじんわりと温めている。 ステンレスの作業台を…

第76話 瞳に映る“もう一人”

◆瞳が語るもの 岳志は、厨房の暖簾をくぐった瞬間、ふと足を止めた。見慣れた奈葉の隣に、見知らぬ青年―― 亮太が、どこか落ち着かない様子で立っていたからだ。だが、その違和感は、すぐに静かな確信へと変わっていく。(そうか……奈葉は、前を向こうとしてい…

第75話 重ねる記憶と、ほどける現在

◆札内駅に降り立つ 「亮太くん、着いたよ」 奈葉は前方のドアへ向かい、運転席横の運賃箱に迷わず切符を入れた。 (これがワンマンってやつか。鉄道というより、バスに近い感覚だな) 亮太も同じように切符を入れ、ホームへ降り立った。 6月だというのに、ひ…

第74話 好きな人の前で

◆空腹の時間 奈葉と亮太は雑貨店を出ると、広小路商店街のアーケードを並んで歩き始めた。 奈葉の手には、先ほど買ったすずらんのチャームが入った小さな紙袋。 ときどきそれを確かめるように軽く揺らす仕草が、なんだか可愛らしく見える。 頭上に漂うやわら…

第73話 すずらんの贈り物

◆噴水モニュメント シルバーウィーク、帯広の駅前広場は十勝ならではの澄んだ初秋の空気が満ち、やわらかな光が差し込んでいた。 人の行き来はあるものの、どこか時間がゆっくりと流れているような静けさがある。 そのなかで、亮太は緑色のガラス張りの噴水…

第72話 不安を越えて、十勝へ

◆眠れないまま迎えた朝 シルバーウィーク初日の早朝4時半。 スマホのアラームが鳴り、亮太は浅い眠りからゆっくりと意識を引き上げられた。 前夜は、宿泊先のことを考え始めてしまい、なかなか寝つけなかった。 奈葉から伝えられているのは「1泊2日」という…

第71話 境界線の見える旅

◆動くべき時 亮太が奈葉との関係をなかなか進めないことに、祖母はしびれを切らしたように口を開いた。 「亮太、その彼女はあんたを『待っている』んだよ」 「待っている……?」 亮太が思わず聞き返すと、母がその言葉を受けるように続けた。 「そうじゃなき…

第70話 雨が連れてきた距離

◆雨の中の不安 激しかった雷鳴も次第に遠ざかり、空を割るような雨音は、いつしかアスファルトを優しく叩く音へと変わっていた。 奈葉は、雨水を吸って重くなったパンプスのまま、ホームセンターへ続く緩やかな坂道を小走りで上がって行く。 折りたたみ傘の…

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